インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(所在地:東京都港区、代表取締役 粟津彰治)は、1972年にアンデス山中に墜落した飛行機の乗客が救助されるまでの72日間を綴ったノンフィクション『アンデスの奇跡』を刊行しました。

 この事件を描いた書籍としては、1974年に小説家のP.P.Reedが生存者のインタビューをもとにまとめた『生存者―アンデス山中の70日』(平凡社)がありますが、本著は生還した本人(ナンド・パラード)がみずから事件を振り返り、生還までのディテールを記し、揺れ動く心情も詳しく叙述した作品です。生存者本人が語る生への強い意志と、壮絶なサバイバルの現実が描かれたノンフィクションとして、アメリカをはじめ十数ヶ国でベストセラーになった本書を邦訳・出版いたしました。

 

内容紹介

▲墜落から72日目、救援ヘリに歓喜する生存者たち (本書より)

1972年10月、春まだ浅いアンデス山中に1機の旅客機が墜落した。搭乗していたのはウルグアイの名門ラグビーチームの選手とサポーター計45人。墜落現場が雪面であったことが幸いし、奇跡的に死をまぬがれた30人は飛行機の残骸をシェルターにして救助を待ち続ける。しかしそこは標高3000mを超えるアンデスの山中。寒気と衰弱のために一人、また一人と命が失われていく。墜落事故から7日目、食糧がいよいよ底をついたとき、彼らは決断する。仲間の遺体に手をつけることを。

 しかし悲劇は続く。11日目、応急処置で聞こえるようになったラジオが捜索の断念を告げた。さらに機体は2度にわたって雪崩に襲われ、そのたびに犠牲者が増えていく。

 「このままでは全滅する」。危機感を募らせた生存者たちは、事故から2カ月後の12月12日、比較的元気で意思の強い若者ふたりを、標高5000mの雪山を越えて救助要請に向かわせる。ろくな装備もないふたりは、ラグビーシューズで雪の斜面を攀じ登り、高度障害に悩まされながら、岩陰で凍える数夜を過ごした。そして出発してから9日目の夕刻、氷河を下り、森を抜けて、ついに牧童と出会う。その2日後、チリ空軍のヘリコプターがふたりを助けだし、続いて現場にとり残されていた14人が救出された。

  著者のナンド・パラードは、事故を知らせるために脱出したふたりのうちの一人。彼の視点からこの事故を振り返り、希望と絶望の狭間で揺れ動いた心情を語り、家族との絆や宗教観、仲間との友情、そして現実社会に戻ってからの生き方についても触れている。

 航空機墜落事故史上、最も過酷なサバイバル体験と心の葛藤を通して、「人はなぜ生きるのか」という究極のテーマにも迫ったノンフィクションが本著です。

 

原著はニューヨークタイムズ ノンフィクション部門ベストセラー第10位にランクイン

 2006年に刊行された本著は世界各国で反響を呼び、アメリカではニューヨークタイムズのベストセラーランキング、ノンフィクション部門の10位にランクイン。12万部が販売されています。ほかにも世界の10数カ国で翻訳され、フランス、スペイン、ブラジル、アルゼンチンなどでもベストセラーとなりました。

                            

4月封切りの映画「アライブ  ―生還者― 」とリンク

 生還者たちのインタビューをもとに、再現フィルムと合わせてこの事故を再構築したドキュメンタリー映画「アライブー生還者」(フランス映画、2007年 113分)が、日本でも2009年4月11日に上映されることになりました。この事故は、過去にも映画化(邦題「生きてこそ」)されて日本でも話題になりましたが、今回の映画は生存者たちのインタビューと再現フィルムを駆使し、あくまでもドキュメンタリータッチで事件の真相に迫ります。

 「アライブー生還者―」  4月上旬 ヒューマントラストシネマ渋谷 ほか全国順次公開

 

訳者 海津正彦氏について

1945年、東京・八王子生まれ。早稲田大学政経学部卒業。翻訳家。学生時代から登山に親しみ、ヒマラヤの高峰に登頂した経験もある。主な訳書にS・ラウィッツ『脱出記』(ヴィレッジブックス)、J・クラカワー『空へ』(文春文庫)、K・ディームベルガー『K2 嵐の夏』(山と溪谷社)などがある。

 

本書について

書名 : 『アンデスの奇蹟』  

著者 : ナンド・パラード+ヴィンス・ラウス

訳  者 : 海津正彦

価格 : 2,520円(税込)

体裁 : 四六判 (408ページ)

発売日 : 2009年03月16日(予定)

 

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山と溪谷社について http://www.yamakei.co.jp/

1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心に、国内外で山岳・自然科学・アウトドア・旅行・スキー等の分野で出版活動を展開。さらに、自然、環境、エコロジー、ライフスタイルの分野で多くの出版物を展開しています。

 

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株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:関本彰大、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「医療」「山岳・自然」を主要テーマに専門性の高いコンテンツ+サービスを提供するメディア事業を展開しています。

 

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