インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(所在地:東京都千代田区、代表取締役関本彰大)は、山と溪谷社創業80周年記念出版として、山岳小説『単独行者(アラインゲンガー) 新・加藤文太郎伝』を刊行しました。


■伝説の登山家・加藤文太郎の生涯
加藤文太郎は、昭和初期に活躍した登山家です。昭和11年(1936年)1月、北アルプス槍ヶ岳の北鎌尾根で遭難死したとき、新聞は「国宝的山の猛者 槍で遭難」と伝えたほど、当時でも有名な人物でした。彼の特徴は、単独での雪山を志向したことです。案内人(ガイド)を連れての登山が一般的だったころ、それは画期的なことでした。昭和6年(1931年)の正月に富山側から信州側へ10日をかけて北アルプスの山々を横断した記録は、その困難さを現在でも評価されています。


■「ひとりで生きる。」
加藤は、風雪吹きすさぶ北アルプスをたったひとりで何日もかけて歩き続けましたが、彼は決して特別な存在ではありませんでした。自分の行為に悩み、行く先に悩む、普通の男だったのです。そんな男が、なぜ単独で、なぜ苛烈な雪山に足を向けたのか。著者は彼の生い立ちを丁寧にたどり、その答えに迫ります。彼の姿は登山という行為を越え、普遍的に現代にも受け入れられるものと思います。


■『単独行者(アラインゲンガー)』とは
 本作品は、山岳専門誌『山と溪谷』2008年4月号~2009年12月号に好評連載された原稿に、大幅に加筆訂正を行ない、単行本化しました。
 アラインゲンガー(Alleinganger)とはドイツ語で、単独登山者のこと。加藤の遺稿集となった『単独行』に出てくる言葉です。
 今回、さまざまな資料を基に、史実に近い真実の加藤文太郎像を、山岳小説の名手・谷甲州氏が渾身の力で描ききりました。

「単独行者(アラインゲンガー)」特設サイト
http://www.yamakei.co.jp/special/densetsu/allein.html



■電子書籍版について
本書籍の電子書籍版を、App Store(iPhone/iPad版)にて、10月上旬より販売予定です。
電子書籍版の特典として、『山と溪谷』誌掲載のルポを収録します。


■著者 谷甲州氏について
たに・こうしゅう 1951年兵庫県伊丹市生まれ。1987年「火星鉄道一九」で星雲賞短編部門受賞、1994年『終わりなき索敵』で星雲賞長編部門受賞。1996年新田次郎文学賞を受賞した『白き嶺の男』は、加藤文太郎をモデルにした本書の姉妹編ともいえる作品。主な著作に「航空宇宙軍史シリーズ」「覇者の戦塵シリーズ」『パンドラ』『霊峰の門』『遥かなり神々の座』『神々の座を越えて』『遠き雪嶺』など多数。


■加藤文太郎について
かとう・ぶんたろう 1905年、兵庫県浜坂町生まれ。1923年ごろから山歩きを始め、北アルプスや中国山地を舞台に多くの雪山単独登山を実践。「生まれながらの単独登山者」と称される。1936年1月、風雪の槍ヶ岳北鎌尾根で遭難死。死後、遺稿集『単独行』が編まれる。新田次郎氏の『孤高の人』は彼がモデル。


■本書について
書名:『単独行者(アラインゲンガー) 新・加藤文太郎伝』 
※「単独行者」と書いて「アラインゲンガー」と読みます。
著者:谷 甲州
価格:2,625円(税込)
体裁:四六判上製 512ページ
発売日:2010年9月16日
ISBN:978-4-635-34027-4


■月刊誌『山と溪谷』について 
1930年の創刊以来現在まで、80年にわたり登山界のオピニオン・リーダーとして、国内外の登山・山岳情報を発信。最新の登山情報から歴史的記事、読みものなど、幅広い内容で登山者の支持を得つづけています。


■山と溪谷社について http://www.yamakei.co.jp/

1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心に、国内外で山岳・自然科学・アウトドア・旅行・スキー等の分野で出版活動を展開。さらに、環境、エコロジー、ライフスタイルの分野でも多くの出版物を展開しています。



■インプレスグループについて http://www.impressholdings.com/

株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:関本 彰大、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「医療」「山岳・自然」を主要テーマに専門性の高 いコンテンツ+サービスを提供するメディア事業を展開しています。



■本リリースについてのお問い合わせ先

株式会社山と溪谷社 山と溪谷編集部
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