インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:関本彰大)は、2月5日に『仏像再興 仏像修復をめぐる日々』を刊行します。

 本書は、「仏像の町医者」こと吉備文化財修復所代表・牧野隆夫氏による、仏像修復の貴重な記録です。

◎無名の仏像たち
 全国各地には無名の仏像がおよそ数百万体おり、長い時を経てそのほとんどが壊れかけ、国宝や重要文化財に適応される公的支援も差し伸べられず、ひそかに朽ち果てようとしています。
 著者はこれらの無名の仏像たちを中心に、三十数年に渡って仏像修復に取り組んできました。

◎「再興」とは?
 このような、常態からかけ離れた姿の仏像たちにも、よく調べてみれば過去の修復の痕跡が残されています。それは、「文化財修理」としての現代の仏像修復とは、まったく別の考えに立脚したものでした。ものに対する修復という行為を、人々は「再興(=再び興す)」という言葉で表し、現代とは異なる考えと手法で、綿々と実践してきたのです。時に理解を越えた形で「再興」された仏像たちと向き合ううちに、著者は徐々に「仏像」の常識と「修復」のあり方を見直すようになっていきます。
 昔の人々は何を考え、どうやって仏像を守ってきたのか?日本人にとっての仏像とは、いったい何であったのか?
 「美仏」をめぐるだけでは決して見えてこない、「日本の仏像」の本質を知る一冊です。

◎目次
第一章 再興の再考 秘仏の移動から始まった修復ドラマ ――普門坊馬頭観音菩薩立像修理
第二章 修復家への道 ――国清寺釈迦如来坐像修理
第三章 東北へ――地域に根ざす仏像修理 ――向居薬師堂仁王像、薬師如来坐像修理
第四章 住職が求めた「もっと違う修理」 ――皎圓寺全仏像の修理
第五章 足場の上で考えたこと ――浅草寺仁王像修理
第六章 再び、再興の再考 ――願成寺光背化仏復元
第七章 仏像調査から見えること 神仏分離
第八章 美術館の仏像たち ――桑原薬師堂の仏像群修復
第九章 仁王像の帰還 ――修禅寺仁王像
第十章 悲しき再修理 ――地福寺地蔵菩薩坐像

◎書籍情報
『仏像再興 仏像修復をめぐる日々』
牧野 隆夫著 /336頁/定価:本体1800円+税
2月5日発売

◎著者プロフィール
牧野隆夫(まきの・たかお)
一九五〇年、岡山県に生まれる。東京芸術大学大学院美術研究科保存修復技術彫刻専攻修了後、伊豆半島の仏像修復などを経て「吉備文化財修復所」設立。各地の仏像調査とともに、これまで約三百体の仏像修復を手がける。一九九二年から東北芸術工科大学教授に就任、十二年間教鞭をとる。二〇〇三年、同大学卒業生とともに山形県に有限会社東北古典彫刻修復研究所を設立、同研究所代表も務める。文化財保存修復学会会員、山形県文化財保護委員、東京学芸大学等非常勤講師。

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1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心に、国内外で山岳・自然科学・アウトドア等の分野で出版活動を展開。さらに、自然、環境、エコロジー、ライフスタイルの分野で多くの出版物を展開しています。

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以上

【本リリースについてのお問い合わせ先】
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