インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手掛ける株式会社山と溪谷社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎深雪)は、芳野満彦著『完本 山靴の音』を刊行しました。

●戦後の登山を牽引した不屈のクライマーによる作品集

 戦後の先鋭的登山を牽引した芳野満彦(1931-2012)は、1948(昭和23)年、17歳の冬に八ヶ岳で遭難し、友と両足指すべてを失いました。しかし、過酷な体験の後も山への情熱は冷めることなく、難易度の高い岩壁登攀への挑戦を続け、1958(昭和33)年には第二次RCC(ロック・クライマーズ・クラブ)設立に参加。山岳会の枠を超えて優秀なクライマーとザイルを結び、数々の初登攀記録を樹立しました。海外渡航が自由化された1963(昭和38)年には日本人として初めてアイガー北壁に挑戦。2年後にはマッターホルン北壁の日本人初登攀に成功しました。著者は新田次郎の小説『栄光の岩壁』のモデルとしても知られています。『山靴の音』初版(1959年発行、朋文堂)から約60年後の刊行となる本書は、複数の出版社から刊行された作品を集約し、八ヶ岳遭難からヨーロッパアルプス登攀までの記録集と詩・散文、スケッチをまとめています。

●克明な遭難記・登攀記と、詩情あふれる画文・随筆

 本書に収めた記録集には、冷静な視点で状況と心情を記した八ヶ岳遭難記、クライマーたちの苦闘と喜びを活写した日本アルプスの登攀記、世界レベルの高難度ルートに挑むヨーロッパアルプス登攀記などがあり、厳しくも美しい山の姿と、すべてを賭けてその山に挑むクライマーの情熱がみごとに描き出されています。スケッチや詩・散文、随筆には、氷点下30度という極寒の山小屋にひとりこもって遭難で負った痛みと向き合いながら再び山をめざす青年の姿と、山への憧憬と愛情がのびやかに表現されています。本書には「なぜ山に登るのか」という命題に対する著者なりの解答がちりばめられており、初版から60年を経た今も、山を愛する登山家の心情が鮮烈に伝わってきます。

●書籍情報
発売日:2018年11月17日
定 価:本体926円+税
体裁:文庫版456ページ
Amazon:http://amzn.asia/d/4Mj5Xgc
楽 天:https://books.rakuten.co.jp/rb/15648937/
http://www.yamakei.co.jp/products/2818048580.html
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【山と溪谷社】 https://www.yamakei.co.jp/
1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心に、国内外で山岳・自然科学・アウトドア等の分野で出版活動を展開。
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以上

【本件に関するお問合せ先】
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