インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:二宮宏文)は、ポール・ホーケン著『リジェネレーション[再生] 気候危機を今の世代で終わらせる』を出版いたしました。
 昨年12月に発売し、NHKスペシャル他、各メディアにも大きく取り上げられベストセラーとなった『ドローダウン 地球温暖化を逆転させる100の方法』の続編で、より包括的に、社会の多くの課題と気候危機がどう関わるかを「リジェネレーション(再生)」というキーワードで説く、今最も必要とされる提言の書です。

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●なぜ「再生」が気候危機時代のキーワードとなるのか?
 前作『ドローダウン』において、環境再生型農業や再生可能エネルギーはもとより、女児の教育、多年生作物、クリーンな調理コンロ、自転車インフラといった、これまであまり注目されてこなかったトピックが地球温暖化対策として取りあげられました。それは、このような一見重要とは思われてこなかった対策が、実はいかに温室効果ガスの排出量を減少させ、ひいては気候危機を止めることに貢献するかを科学的にシミュレーションし、評価した結果です。
 それは同時に、さまざまな社会課題が、行きすぎた工業化や、社会や自然の分断化のために引き起こされたその背景を知り、「つながり」の重要性を再認識させるものでした。
 今回お届けする新刊『リジェネレーション[再生]』では、海洋、森林、野生生物といったテーマごとに、より包括的(インクルーシヴ)な概念として「再生」というキーワードに注目しています。そして、現在の社会・経済システムや人権・貧困・食料問題までを視野に入れた気候危機対策論を、一貫して展開しています。それによって、技術偏重で、未完成で、本質的な解決策とは言いがたいDAC(ダイレクトエアキャプチャー:CO2の直接回収)や核融合炉、アンモニア混焼技術などとの違いを際立たせています。

●2030年までに「半減」するために
 コロナ禍に続き、ウクライナ侵攻が始まったことで社会の不安も増大するなか、確実に「希望」と言えることがあるとしたら、それは「気候危機」においては、世界が同じ目的のために行動する合意が形成されていることでしょう。あとわずか7年半ほどで地球環境は「あと戻りができない状態」といえる臨界点を超えてしまうことがIPCCの報告書においても警告されています。その回避のためには、2030年までに温室効果ガスを半減することが強く求められています。
 著者のポール・ホーケン氏は本書において、単に警告ということではなく、「再生」という希望について伝えています。それはさまざまな産業--農業、林業、漁業はもとより、衣料、金融、プラスチック、そして政治や軍事まで--を包括した具体策であり、生態学から建築学までを含めたトータルな提案なのです。

●「すべての行動と決定の中心に生命をおく」とは?
 著者のポール・ホーケン氏は実業家として成功した後、1999年に出版された『自然資本の経済学』を著す元となる研究所を立ち上げ、その後は各地の大学で教えるなど、常に時代の先をゆく活動家であり、実践家です。『ドローダウン』においても『リジェネレーション』においても、まだ誰も手をつけていない領域で実績を上げ、世界に先立つメッセージを出版してきました。
 その彼が、今最も重要視するメッセージ。それは「すべての行動と決定の中心に生命をおく」ことです。気候危機という喫緊の課題に対し、なぜ「生命」がキーワードとなるのか。
 それは、人権であり、生物多様性であり、エコロジーという概念を踏まえての提言だからです。
 あらゆる場面において、生命の営みを最大限活かすことこそが、確実で無駄のない気候危機対策であることを本書は伝えています。
 「リジェネレーション[再生]」、今はまだ耳慣れないキーワードかもしれませんが、サステナブル(持続可能性)という、これまでの経済発展や工業化社会の延長線上で語られることが多かった概念とは一線を画す、新しい時代のキーワードを説く本書に、ご注目いただければ幸いです。

●枝廣淳子さんご推薦の言葉
 環境ジャーナリストであり、『不都合な真実』翻訳者としても知られる枝廣淳子さんからは、以下のメッセージをいただいています。

「本書の目的は、今の世代で気候危機を終わらせることです」。
えっ?と思う人も多いかも。温暖化の被害状況は悪化し、さまざまなかけ声や目標設定にもかかわらず、温室効果ガス排出量は減るどころか増える一方なのだから。

この気候危機に対するポールのアプローチは、「闘う」ではなく、「再生」だ。しっかりしたデータに基づいた数々の取り組みにワクワクすることは間違いない。ポール・ホーケンがこの世にいてくれて良かった! この本を書いてくれて本当に良かった! 心からそう思う。

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●目次
はじめに:ジェーン・グドール 
海洋:海洋保護区/海中植林/マングローブ ほか
森林:プロフォレステーション/亜寒帯林/熱帯林 ほか
野生生物:栄養カスケード/放牧生態学/野生生物の回廊(コリドー) ほか
土地:環境再生型農業/有畜農業/劣化した土地の回復 ほか
人々:先住性/女性と食べ物/クリーンな調理コンロ/女児の教育 ほか
都市:ネット・ゼロ都市/建物/都市農業/カーボンアーキテクチャ ほか
食 :何も無駄にしない/主に植物を食べる/昆虫の絶滅 ほか
エネルギー:風力/ソーラー/電気自動車/地熱/すべてを電化する ほか
産業:巨大フードビジネス/ヘルスケア産業/金融業/衣料産業/プラスチック産業 ほか

●著者紹介
ポール・ホーケン(Paul Hawken)
起業家、作家、活動家であり、環境の持続可能性とビジネスと環境の関係を変えることに人生を捧げている。環境保護活動に関する企業改革の先駆者。環境に配慮したビジネスを成功させ、経済活動が生態系に与える影響について執筆活動を行ない、経済発展、産業エコロジー、環境政策について各国の首脳やCEOにコンサルティングを行なっている。著書に『ドローダウン―地球温暖化を逆転させる100の方法』(山と溪谷社)、『祝福を受けた不安―サステナビリティ革命の可能性』(バジリコ)、『自然資本の経済―「成長の限界」を突破する新産業革命』(日本経済新聞出版)ほか。

●書籍情報
書 名:『リジェネレーション[再生]気候危機を今の世代で終わらせる』 
著者名:ポール・ホーケン 編著、江守正多 監訳、五頭美知 訳
発行所:山と溪谷社
発売日:2022年3月19日
ISBN :978-4-635-31045-1
体 裁:A5判(並製)・ 416ページ
定 価:3080円(本体2800円+税10%)
URL:https://www.yamakei.co.jp/products/2821310450.html

 

【山と溪谷社】 https://www.yamakei.co.jp/
1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心に、国内外で山岳・自然科学・アウトドア等の分野で出版活動を展開。
さらに、自然、環境、ライフスタイル、健康の分野で多くの出版物を展開しています。

【インプレスグループ】 https://www.impressholdings.com/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:松本大輔、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「航空・鉄道」「モバイルサービス」「学術・理工学」を主要テーマに専門性の高いメディア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。

以上
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【本件に関するお問合せ先】
株式会社山と溪谷社 担当:岡山
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
TEL03-6744-1900  E-mail: info@yamakei.co.jp
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