インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:二宮宏文)は、ヤマケイ文庫『考える粘菌 生物の知の根源に迫る』(中垣俊之/著)を刊行しました。

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「知性の始まりは、ひょっとすると細胞?と考えさせる、とても興味深い内容」
養老孟司氏推薦!

生物が知的であるとは、いったいどういうことでしょうか︖
単細胞⽣物の粘菌は、脳も神経系もないにも関わらず、迷路の最短経路を探し出したり、⼈間社会の公共交通網にそっくりのネットワークを作り上げてしまいます。

「遭遇する状況がどんなにややこしくて困難であっても、未来に向かって⽣き抜いていけそうな⾏動がとれる」
知性をこんなふうに捉えてみると、単細胞の粘菌でさえも、その場のややこしさに応じた知的と思えるような⾏動をとるのです。
このようなすぐれた⾏動が、単細胞の粘菌からどのように⽣み出されるのか。
私たち多細胞⽣物にもつながる、「知的なるものの原型」を粘菌に探ります。

 

⚫︎内容
まえがき
生きものの知性を探る旅/粘菌の驚くべき知性/多様性が生み出される仕組み/ヒトにも受け継がれる原生生物の巧みな行動

第1章 単細胞の情報処理
細胞と核とゲノム/細胞のモノとココロ?/単細胞の動物行動学/生きものの情報処理/意図的行動の特質/細胞は生命活動の原点/ヒトが単細胞になるとき

第2章 粘菌とはどんな生きもの?
ライフサイクル/収縮リズム/味覚/嗅覚・視覚・触覚ほか/発育をうながす環境/モデル生物としての粘菌

第3章 粘菌が迷路を解く
ちょっとした困惑──餌があっちとこっちに/最短経路の生理的意義/短い経路を選ぶ──迷路でも?/適応ネットワークモデル/付録──粘菌解法の数理モデル/行動の多様性/粘菌解法の生物らしさ/粘菌が解いたといってよいか?

第4章 危険度を最小にする粘菌の解法
危険度が非一様な空間での経路探索/危険度最小化経路/海水浴場のライフセーバーの問題とスネルの法則/粘菌の解法──適応ネットワークモデル再び/付録──モデルのもう少し具体的な説明/粘菌解法の応用──カーナビゲーションシステム/組み合わせ数の爆発の恐ろしさ/フィザルムソルバーの特質その1──大雑把さ/フィザルムソルバーの特質その2──渋滞への適応性/粘菌の適応ネットワーク形成のアルゴリズム

第5章 両立が難しい目的をバランスさせる粘菌の能力
シュタイナー経路/ネットワーキングのバラエティ/三つの指標/粘菌ネットの多目的最適性/粘菌の多目的最適化手法──適応モデル三たび/モデルのシミュレーション/関東圏の鉄道網を粘菌に設計させたら/地形のバリエーションを取り込む/粘菌とJRの不思議な類似性/シュタイナー問題への応用/適応ダイナミクスの共通性

第6章 時間記憶のからくり
周期的環境変動を予測することを示した実験/周期性の想起──実験その2/時間記憶能の生理的意義/時間記憶のからくり──共振/粘菌の多重周期性/一連振り子モデル/位相同期モデル/位相同期モデルのからくり/「エジプトはナイルの賜物である」

第7章 迷い、選択、個性
粘菌の逡巡行動を示す実験/ハムレットの逡巡/逡巡行動のからくり/先端部の雪だるま式発展/マッチ棒の延焼モデル/迷いとパチンコ

第8章 粘菌の知性、ヒトの知性
生物と物理/意識と無意識/高度な言語能力のなせる技/考えずに考える粘菌/知は環境の鏡/原生知能の行動力学方程式/細胞の不思議──微細藻類にみる旋回遊泳と多細胞性/多細胞生物へと受け継がれる単細胞の行動能力

あとがき

※本書は2010年5月に発刊されたPHP サイエンス・ワールド新書『粘菌 その驚くべき知性』を加筆修正のうえ、文庫化したものです。

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【商品詳細】
書名: 考える粘菌 生物の知の根源を探る
著者: 中垣俊之
定価: 880円(本体800円+税10%)
発売日:2023年12月19日
仕様:文庫版・本文224ページ
発売元:株式会社 山と溪谷社
https://www.yamakei.co.jp/products/2823049820.html

 

【著者略歴】
中垣俊之
一九六三年愛知県生まれ。北海道大学電子科学研究所教授。粘菌をはじめ、単細胞生物の知性を研究する。北海道大学薬学研究科修士課程修了後、製薬企業勤務を経て、名古屋大学人間情報学研究科博士課程修了。理化学研究所基礎科学特別研究員、北海道大学電子科学研究所准教授、公立はこだて未来大学システム情報科学部教授を経て二〇一三年より現職。二〇一七〜二〇二〇年北海道大学電子科学研究所所長。二〇〇八年、二〇一〇年にイグ・ノーベル賞を受賞。著書に『粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う』(文春新書)、『かしこい単細胞 粘菌 』( たくさんのふしぎ傑作集) など。

 

【山と溪谷社】 https://www.yamakei.co.jp/
1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心とした山岳・自然科学・アウトドア・ライフスタイル・健康関連の出版事業のほか、ネットメディア・サービスを展開しています。
さらに、登山やアウトドアをテーマに、企業や自治体と共に地域の活性化をめざすソリューション事業にも取り組んでいます。

【インプレスグループ】 https://www.impressholdings.com/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:松本大輔、証券コード:東証スタンダード市場9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「航空・鉄道」「モバイルサービス」「学術・理工学」を主要テーマに専門性の高いメディア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。
以上
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【本件に関するお問合せ先】
株式会社山と溪谷社 担当:井澤健輔
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
TEL03-6744-1900  E-mail: info@yamakei.co.jp
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