歌う鳥のキモチ

著者 石塚 徹
発売日 2017.11.30発売
基準価格 1,232円(本体1,120円+税10%)

鳥がどんなキモチで歌っているのか、歌う鳥のキモチに興味ありませんか?

鳥を識別や撮影の対象としてだけでなく、何をしているのか「解釈」しながら観察するのは実に楽しいものです。

※本書に付随する鳥の音声動画は、以下ページ下方にある「関連情報」から参照ください。

品種 電子書籍
商品ID 2817120739
ISBN 9784635230087
ページ数 296

商品詳細

鳥がどんなキモチで歌っているのか、歌う鳥のキモチに興味ありませんか?

鳥を識別や撮影の対象としてだけでなく、何をしているのか「解釈」しながら観察するのは実に楽しいものです。

本書は「歌う鳥のキモチ」に焦点を当てて、「鳥がなぜ歌うのか」「歌に込められた鳥のキモチ」を探っていく内容です。

歌は歌い手と聞き手がいてこそ成り立つ社会行動なので、歌に注目することで、鳥(小鳥)の社会、私生活が浮き彫りにされていきます。

第1章では「鳥の歌」について誰もが思う素朴な疑問(「春になると歌い始めるのはなぜ?」「夜明けに歌うのはなぜ?」「なぜ、ものまねしたい?」など)をひとつずつ解いていきます。小鳥の歌のさまざまな切り口・視点を紹介し、歌う鳥の「キモチ」がわかるようなります。
第2章はノビタキ、キセキレイなどを題材に、第1章で概観したことを実証、打ち破ろうとした著者の最新レポートです。キセキレイで個体識別を行って行動観察したイワオとピンコの夫婦の話など、生き生きとした小鳥たちの物語が展開されます。
第3章「歌う鳥の私生活」は、本書のメインディッシュです。歌声のレパートリーで個体識別されたクロツグミたちが、実にユニークで面白いドラマを見せてくれます。
第4章では、ビギナーを対象にした聞き分けの話や、歌のレパートリーによる個体識別方法を紹介しています。

鳥の「キモチ」や私生活、いきものの社会に興味関心のある方には必ずや楽しんでいただける内容です。


目次

第1章 歌う鳥のキモチ〈基礎編〉
夜明けのコーラスが始まる 
聞き手がいるから声が進化した 
言葉じゃないけど衝動的なキモチの表れ、それが声 
繁殖期の特別な声を、小鳥に限って「歌」という 
ウグイスは春になるとなぜ「ホーホケキョ」? 
歌に入っている情報 
歌いたいキモチのピークはいつ? 
歌の役割を証明した、歴史的野外実験 
夜明けにガンガン歌うキモチ 
メスが抱卵を始めたら、オスはどうすべきか 
コマドリが歌いたくなる、ちょっとしたひきがね 
なわばり内の、どこで歌いたい? 
隣人の歌は、密林での不謹慎なキモチに歯止めをかける? 
二つの「カテゴリー」と「モード」 
小声の歌は「あなただけに」 
メスが歌うキモチ 
なぜ、ものまねしたい? 
渡りの途中で歌ったらどうなるか
秋に歌うキモチ 

第2章 歌う鳥のキモチ〈応用編〉
ノビタキに見る歌の日周リズム 
キセキレイの二つの歌は別々の役割?(1) 
キセキレイの二つの歌は別々の役割?(2) 
キモチの絶頂? 空で歌うビンズイ 
エゾムシクイで「モード」の切り替わりを見る 
クロツグミはカラアカハラの歌を区別できない!?
夜明けのノジコがアオジっぽく歌うのはなぜか 

第3章 歌う鳥の私生活
主人公とその歌声 
繁殖地への帰還 
なわばり形成 
つがい形成と離婚 
オスのソング・エリアとメスの営巣場所 
造巣期から産卵期 
卵を抱くメスのキモチ
独身と既婚を見分ける六つのポイント 
「毎分一〇回」が、独身か否かを見きわめる目安 
急いで歌うときほど完璧に歌う 
ソング・スイッチングの頻繁さ 
暴かれた「ルビオ」の二重人格 
プレイバック実験でキモチをたしかめる 
メス隔離実験でキモチをたしかめる 
メスの心に響く歌のうまさとは 
一夫二妻やりくり私生活 
ルビオのライバル「ドール」 
その手があったか……スニーカーたちの存在 
子育てと巣立ち 
給餌前後の小声の歌 
こんなときにも歌う! 驚きの場面 
猛レッスンでレパートリーを全とりかえした「レモン」
新曲の大流行と文化的交流、バリエーションの喪失
繁殖期の終焉から渡去と、野外寿命

第4章 聞く人のココロ
カナ表記は聞き分けに有効? 
聞きなしと方言
歌のレパートリーで個体識別 
付録 クロツグミ声紋集

関連情報

※本書籍内で紹介されている鳥の歌声つき動画はこちらからご覧いただけます。http://yamakei.co.jp/tori/index.php

●内容サンプル

第3章22 猛レッスンでレパートリーを全とりかえした「レモン」

 小鳥たちは、生後2カ月くらいまでに父親などの歌を聞き覚えるが、それは脳神経が発達する翌年まで、正常に再生できない。真夏にたどたどしく、というか、まったく歌らしくもない、へんてこな声を出している幼鳥もいる。

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